塚田の待つ部屋に戻ってきた。

まずは、傷ついた腕を治す事にしよう。
傷を受けた腕に『ヒーリング』を使う。

傷自体は、そんなにひどいものではなかった。
ゼリーが、うまく働いたらしい。

よかった。あの時の判断は、間違いではなかった。

「食事の用意が整いましたよー。
 すぐに召し上がりますかー?」

塚田の場違いな発言が、聞こえてくる。

「そうだな。傷も、もうほとんど治ってしまってる。
 すぐにそっちに行く。塚田は先に食ってろ。」

ツータングの言葉どおり、火傷で腫れ上がった腕は
ほとんど完治して、薄い膜ができていた。

念のため『ダームエイド』でも張っておくか。



『ダームエイド』人造皮膚
2002年に、独オステルン社から発売されたマスター用DTデータ。
1種類のデータで大きさを自由に設定できる利便性から、多くのマスターに使われている。

一般的に人工皮膚とは、人工的に合成され、培養されたヒトの皮膚である。
人工皮膚といっても『ダームエイド』は、それほど高価なものでない。
特殊なバンソウコウぐらいのものである。
創部の回復に与える効果で言えば、確かに培養人工皮膚のほうが優秀だが、『ダームエイド』にはヒト以外の動物にも使えるというメリットがある。



適当な大きさの『ダームエイド』を腕に貼り付ける。
これで、治療は終了だ。

席を立ち、塚田の待つ厨房へと足を向ける。

漂うチャーハンの良い匂いが、食欲をそそる。

「塚田。俺にもスープを頼む。
 チャーハンは自分でよそるから。」

そういうと自分の皿にレンゲで、チャーハンをよそっていく。

「了解です☆
 量はどれぐらいにしましょうかー?」

「多めでいいぞ。
 今は、栄養が必要なものでな。」

「了解しました☆」

チャーハンに喰らいつく。
やはりうまい・・・が少々この味にも飽きてきたな。

そう思いつつも、チャーハンを食らっていく。

その時、ツータングの携帯電話が鳴り響いた。

          



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