「はい?もしもし。どうしたんですか?」

電話の自分の上司に当たる者からだった。

「ヤツラが動き出した。」

ツータングの顔に緊張が走った。

「まだ、断定はできないがほぼ確実だろう。せいぜい用心する事だ。」

「わかりました。雨水さんも気をつけて。」

「それと、今やってる実験も早めに片付けろ。
 長引くと、後々面倒な事になってくるかもしれん。」

「了解です。片付き次第、こちらから連絡を取ります。」

「用心しろよ。案外、すぐそこにいるかもしれんぞ。」

そう言うと、雨水という男はブツッと音と共に電話を切った。

ガチャン・・・

ツータングも、それを確認して受話器を置く。

予想していたよりも、ずっと早いな。
だが、まだ予想の範囲内だ。十分修正は効く。

しかし、もしかしたら樹を予想よりも早く使うことになりそうだ。

早めに『ミゾ』を埋めておくべきかも知れんな。

そう思うと、ツータングの手は、また食いなれた食事へ向かった。


          

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