ある日、一人の男子学生が『消える』という事件が起きた。
『神隠し』? それとも『誘拐』? はたまた『失踪』?
様々な事態を予想し、対策を練った。

しかし、その男子学生はある日突然フラッと帰ってきた。
特に疲れた様子も無く。怪我をしている様子も無く。
消える前と変わらず健康そのものだった。

ただ一つ・・・
家族、またはそれに近い人物の証言の中に気になる言葉があった。

怖い

彼をよく知る人物たちは、声を揃えてまずこう言った。
自分が見たところ、怖いという印象は持てなかった。
むしろ、どこか弱々しく頼り無さげな少年に見えた。

話を聞いていると、不思議な点を見つけた。
彼らは、男子学生のことを『怖い』と思っているのだ。

『恐い』ではなく、『怖い』

簡単に言うと、彼らは男子学生のことを
『不良』ではなく『オバケ』として見ている。
そういうことになる。

何が、そんなに彼らを怖がらせるのか?
男子学生が『消えた』時に一体何があったのか?
これから、調べていく事にしよう。


          


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