俺は、よくとり憑かれるらしい。
俺は、覚えていないが小さい頃は
気を失ったまま、夜中に家の中を歩いていたという話だ。
今では、もうとり憑かれるといったことはなくなったが
よく妙な物が見えるときがある。
黒い点。
分かりやすく言えば、まっくろくろすけ。
あれのような物が、よく見える。
だが、見えない。
気づいてそっちの方向へ向くと、消えてしまう。
だが、また視界の隅にいくと現れる。
不思議な現象だ。
こいつらは、その辺にいる。
部屋の中にもいるし、外にも、学校にも、電車の中にもいる。
ただ、普段はマトモに見えていないだけだ。
普通は気づかない視線の先に彼らはいる。 |
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